【稲城市の不動産】相続税はいくら?自宅の評価額の調べ方と節税対策を徹底解説

稲城市にある自宅などの不動産の相続を控え、「何から始めればいいのだろう」と感じている方は多いのではないでしょうか。
親が高齢になったり、実際に亡くなられたりした際、「不動産を含めると相続税はいくらになるのか」「手続きはどう進めればよいのか」といった疑問が浮かぶのはごく自然なことです。
特に、不動産の価値は預貯金のように金額がはっきりと見えないため、まずはその評価額を確認することが第一歩となります。
この記事では、専門的な知識がない方に向けて、不動産の評価額の調べ方や具体的な相続税の計算方法を分かりやすく解説します。
さらに、多摩丘陵に位置する稲城市特有の土地事情を活かした節税のポイントや、頼れる相談先の選び方についても詳しくお伝えします。
記事を読み終える頃には、相続手続きの全体像を把握し、自信を持って次のステップへ進んでいただけるはずです。

目次

稲城市にある不動産を相続!そもそも相続税はかかる?基礎控除の計算方法

親族が亡くなり相続が発生した際、すべての人に相続税がかかるわけではありません。
ご自身のケースで納税が必要になるのかどうかを知るためには、まず相続税の課税基準となる仕組みを理解することが重要です。

相続税がかかるか判断する「基礎控除」とは

相続税には、一定の金額までは税金がかからない「基礎控除」という非課税枠が設けられています。
亡くなった方の遺産総額(不動産や預貯金などすべての財産から、借金などのマイナスの財産を引いた金額)が、この基礎控除額を下回っていれば、相続税はかかりません。
その場合、税務署への相続税の申告手続きも原則として不要になります。
そのため、まずは落ち着いて遺産全体の金額をざっくりと把握し、基礎控除額と比較することが最初のステップです。

法定相続人の数と基礎控除額の早見表

基礎控除額は、「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」という計算式で求められます。
法定相続人とは、民法で定められた遺産を受け継ぐ権利のある人のことです。
法定相続人が何人いるかによって、基礎控除額は以下のように変わります。

法定相続人の数基礎控除の計算式基礎控除額
1人3,000万円 + (600万円 × 1人)3,600万円
2人3,000万円 + (600万円 × 2人)4,200万円
3人3,000万円 + (600万円 × 3人)4,800万円
4人3,000万円 + (600万円 × 4人)5,400万円

例えば、母親が亡くなり、子ども2人が相続人となる場合、法定相続人は2人です。
このケースでは、遺産総額が4,200万円以下であれば相続税はかからないことになります。

稲城市の不動産(土地・家屋)の相続税評価額の調べ方と計算手順

基礎控除の仕組みが分かったら、次は自宅などの不動産がいくらの価値として計算されるのかを確認しましょう。
ここからは、不動産の相続税評価額の具体的な算定方法と、その調べ方の手順を解説します。

土地の評価は「相続税路線価」を使うのが基本

土地の相続税評価額を計算する際、不動産会社が査定する実際の売買価格(実勢価格)をそのまま使うわけではありません。
基本的には、国税庁が毎年定めている「相続税路線価」をベースにして計算を行います。
路線価とは、道路に面した標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格のことです。
基本的な計算式は「路線価 × 土地の面積(平方メートル)」となり、この金額が土地の評価額の目安となります。

稲城市の路線価の調べ方(国税庁ホームページ)

稲城市の最新の路線価は、誰でもインターネットで簡単に調べることができます。
国税庁のウェブサイトにある「路線価図・評価倍率表」から、東京都、稲城市、そして該当する町名と進むことで、目的の道路の路線価を確認できます。

稲城市の路線価の推移

稲城市の地価はここ数年、着実な上昇傾向にあります。
2024年の公示地価は平均25万2,900円/㎡(前年比+3.05%)でしたが、最新の2026年(令和8年)には平均27万1,586円/㎡まで上昇し、変動率は+4.05%と上昇が加速しています。
住宅地の平均は26万8,346円/㎡(変動率+4.08%)、商業地の平均は29万9,666円/㎡(変動率+3.77%)と、いずれも上昇が続いています。
相続税路線価は、1月1日を評価時点として、地価公示価格等を基にした価格の約80%を目安に設定されています。
相続税路線価は公示地価を基に算出されますが、路線やエリアによって大きく異なります。正確な評価額は、税理士などの専門家にご相談ください。

出典:土地代データ

路線価の上昇が相続税に与える影響

「路線価の上昇」は、相続税の観点からは見逃せないポイントです。
路線価が上昇するほど、土地の相続税評価額も高くなり、基礎控除を超えるケースも増えてきます。
「数年前は基礎控除内に収まると思っていたのに、路線価が上がって相続税がかかるようになった」という事態も起こりえます。
特に稲城市のように地価上昇が続くエリアでは、早め早めに評価額を把握し、小規模宅地等の特例の活用なども含めた対策を検討しておくことが重要です。

固定資産税評価額(固定資産税路線価)との違いに注意

土地の評価額を調べる際、一般の方が混同してしまうのが「相続税路線価」と「固定資産税路線価」です。
固定資産税路線価は、毎年市役所から送られてくる固定資産税の計算に使われるもので、相続税の計算には使用しません。
固定資産税の納税通知書に記載されている土地の評価額を、そのまま相続税の計算に使ってしまうと、正しい納税額が算出できなくなります。
相続税の計算においては、国税庁が公表している「相続税路線価」を用いるように注意してください。

家屋(建物)の評価は「固定資産税評価額」をそのまま使う

土地の計算には路線価を使いますが、家屋(建物)の相続税評価は非常にシンプルです。
毎年4月頃に稲城市役所から送られてくる「固定資産税の納税通知書」に同封されている課税明細書を確認してください。
そこに記載されている「固定資産税評価額」を、そのまま家屋の相続税評価額として使用して問題ありません。
築年数が経過している古い自宅であれば、建物の評価額は数百万円程度まで下がっているケースも多いです。

稲城市特有の土地事情で相続税が安くなる?「評価減」のポイント

ここからが、不動産相続において特に重要なポイントになります。
多摩丘陵に位置する稲城市は、起伏に富んだ地形や開発中のエリアが多く、こういった土地特有の事情が、相続税の評価額を下げる(=節税になる)要因になることがあります。

高低差のある土地・がけ地(若葉台エリアなど)

稲城市は丘陵地帯が多いため、道路と敷地に大きな高低差がある土地が少なくありません。
例えば、若葉台エリアなどでよく見られる、道路よりも高い位置にあり擁壁(ようへき)で支えられているような土地です。
こういった土地は、家を建てる際に造成費用が余分にかかったり、古い擁壁の場合は補強工事が必要になったりします。
税務署はこのような事情を「土地の利用価値の低下」とみなし、「がけ地等」として評価額を減額できる可能性があります。
高低差がどれくらいあるか、擁壁の状態はどうかといった個別具体的な状況によって、評価が下がる割合が変わってきます。

旗竿地や形のいびつな不整形地(南山エリアなど)

南山エリアをはじめ、市内には四角形ではない形のいびつな「不整形地」や、道路に接する部分が細長く奥に敷地が広がる「旗竿地(はたざおち)」が一定数存在します。
このような土地は、一般的な真四角の土地に比べて使い勝手が悪くなります。
例えば、旗竿地は道路に接している幅が狭いため、建物を建てる際の制限を受けやすく、工事用の重機や資材の搬入が困難になることがあります。
こういった使いにくさはマイナス評価となり、「不整形地補正率」という仕組みを使って、路線価から計算した基本の評価額をさらに引き下げることができます。

市街化調整区域や区画整理中の土地

稲城市内には、自然環境を守るために原則として新たな建物を建てられない「市街化調整区域」が点在しています。
建築が制限されるため、このような土地は市場価値が低くなり、評価額が下がる傾向にあります。
また、南山東部地区のように「土地区画整理事業」が進行中の土地も注意が必要です。
工事の進み具合(仮換地の指定前か、造成工事中かなど)によって評価方法が大きく異なり、状況によっては評価額が減額されるケースがあります。
これらの土地の評価は非常に複雑ですが、正しく判断することで大幅な減額のチャンスとなります。

納税資金の不安解消!稲城市の相続不動産を活用した節税・分割対策

「相続税はなんとか払えそうだけれど、現預金が減ってしまうのが不安」「兄弟でどうやって不動産を分けるべきか」といった悩みを抱える方も多いでしょう。
ここでは、相続した稲城市の不動産をどう扱うかについて、選択肢ごとのメリットとデメリットを解説します。

最大80%減額!「小規模宅地等の特例」を活用してそのまま住む

亡くなった親と同居していた自宅にそのまま住み続ける場合、「小規模宅地等の特例」という制度を使える可能性があります。
これは、一定の要件を満たせば、土地の評価額(330平方メートルまで)を最大80%も減額できる非常に強力な節税策です。
例えば、評価額が5,000万円の土地であれば、1,000万円として計算できるため、稲城市のように地価が比較的高いエリアでは効果を発揮します。
ただし、この特例を使うためには、配偶者であるか、同居していた親族であるかなど、厳格な要件をクリアし、期限内に申告を行う必要があります。

地価上昇中の稲城だからこそ「売却」して納税資金や分割に充てる

稲城市は、都心へのアクセスの良さや子育て環境の充実から、地価や中古マンションの価格が上昇傾向にあります。
そのため、不動産を保有し続ける予定がないのであれば、高値で売却して現金化し、相続税の納税資金に充てるという選択肢も有効です。
現金に換えることで、複数の相続人で平等に遺産を分けやすくなるというメリットもあります。
一方で、高低差が激しい土地や接道条件が悪い土地は、買い手が見つからず売れ残るリスクがある点には注意が必要です。
また、売却によって利益が出た場合は、別途「譲渡所得税」がかかることも覚えておきましょう。

賃貸物件として活用し「貸家建付地」の評価減を受ける

稲城市は人口も安定して増加しており、賃貸需要が見込めるエリアです。
もし自宅をそのまま賃貸物件として人に貸し出した場合、その土地は「貸家建付地(かしやたてつけち)」として扱われます。
自分の意思だけで自由に使えない土地になるため、自分で使っている土地よりも相続税評価額が約2割ほど安くなります。
家賃収入を得ながら節税もできるのが魅力ですが、空室になったり家賃の滞納が発生したりするリスクがあります。
また、建物の修繕や入居者の管理といった手間と費用がかかるデメリットも考慮して判断する必要があります。

相続税申告と納税の流れ・期限・ペナルティ

不動産の評価方法や対策のイメージが掴めたら、次は実際の手続きに関するルールを把握しましょう。
相続税の申告には厳格な期限があり、遅れるとペナルティが発生するため早めの行動が求められます。

申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」

相続税の申告と納税の期限は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています。
10ヶ月と聞くと余裕があるように感じるかもしれませんが、実際はそうではありません。
戸籍の収集から始まり、不動産を含むすべての財産の調査・評価、そして誰が何を相続するかを決める遺産分割協議など、やるべきことは山積みです。
特に不動産の評価や親族間での話し合いには想像以上に時間がかかるため、期限ギリギリになって慌てないよう、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。

申告漏れは危険!税務調査の確率は約9%

期限内に申告をしなかったり、不動産の評価を間違えて本来より少なく申告してしまったりした場合、重いペナルティが課せられます。
本来の税金に加えて、「延滞税」や「加算税」といった罰金的な税金を支払うことになってしまいます。
また、税務調査の調査事績からの確率論の話になりますが、相続税を申告した人のうち、およそ9人に1人(約11%)の割合で税務署の税務調査が入ると言われています。
自分たちだけで間違った評価をしてしまうと、後から税務署に指摘されて多額の追徴課税を受けるリスクがあるため、正確な申告を行うことが重要です。

稲城市の不動産相続・相続税申告は誰に相談すべき?税理士の選び方

ここまで解説してきた通り、不動産の評価や相続税の申告は専門的で複雑です。
「自分たちだけで手続きをするのは難しそう」と感じた場合、税理士に頼ることが安心への近道となります。
ただし、すべての税理士が相続税や不動産評価に詳しいわけではありません。
選ぶ際の重要なポイントは、「稲城市の地域特性(高低差や区画整理など)をよく理解しているか」「不動産評価による節税の経験が豊富か」という点です。
多くの事務所では初回の無料相談を実施していますので、まずは気軽に相談に訪れ、説明の分かりやすさや相性を確認してみることをおすすめします。
早めに税理士に相談することで、適正な評価と効果的な対策を行い、円滑に相続手続きを進めましょう。